【web小説】魂の所在-The third soul-【感想】

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タイトル:魂の所在-The third soul-
著者:蒼井 刹那 さん
ジャンル:SF
文字数:27,675文字(24/1/7 時点)

魂の所在-The third soul-(蒼井 刹那) - カクヨム
そもそも、『魂』ってどこに宿るのかしら――

あらすじ

 交通事故から生還した「僕」はふとしたことがきっかけで「違和感」を覚える。
 事故以前の自分と食い違う「僕」の嗜好。そして思考。

 目の前に現れた「アカネ」と名乗る女性との出会いを皮切りに明かされる「僕」の秘密。
 全ての「秘密」が明かされた時、「僕」は選択を迫られる。

 「魂」とは。「魂の所在」とは。

感想

「僕」は交通事故に遭い、身体は無事でしたが事故前後の記憶を失った状態です。退院し、友人にも会いますが、そこで自身の嗜好の変化を感じます。不思議に思いつつも検査のため病院に向かい、アカネという女性に会いますが、彼女は何故か「僕」のことを知っている様子です。主人公は自分自身を知るため、友人のタカユキと共に夜の病院に侵入し、そこで隠された真実を知ります。

自分は生まれた時から自分であるということを、証明できる人間はいるのでしょうか?
親しい友人が昨日までと同一人物であるという証拠はあるのでしょうか?
もし自分が誰かのコピーであるとしたら……。想像するとぞっとします。この作品は短編ですが、主人公の「僕」を通し、様々な問いを投げかけています。
記憶、つまり過去を引き継げばその個人といえるのか、個としての人間を定めるものは一体どこにあるのか。考えさせられる作品でした。

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