タイトル:ノイシュとミネアと魂(アニマ)~戦乱の中で育ち、戦いと愛に身を投じる若者達~
著者:たんとん さん
ジャンル:ハイファンタジー
文字数:146,674文字(23/5/17 時点)
あらすじ
遥か彼方の世界に存在するイアヌ大陸……そこでは人の身体に内在する魂(アニマ)から霊力を引き出し、術を発現する者達が現れた。
その中でも特に高位な魂(アニマ)を持つ人々は【大神官】と呼ばれ、大陸にある七国の王と並ぶ権力を持っていた。その大神官達が七王国を監督統治する【連合王国】時代では1000年以上にわたり繁栄を誇った。
しかし、その平和も突如として終わりを告げることとなる。とある王国の王位継承問題に大神官達が次々と介入することで起きた【大陸大動乱】により、ついに連合王国は分裂したのだ。
その後も七王国は互いの領土を奪うべく幾百年にも渡り戦乱が続いた。次第に各国とも国中の術者を動員して戦わせる総力戦の様相を呈していき、至る所で人々の死と飢餓があふれることとなる。
辺境の小国リステラ王国も例外ではなく、隣国レポグント王国と存亡をかけた争いを繰り広げる。やがて敗戦を重ねて窮地に立ったリステラ王国は、少年少女さえも術を発現させる素質があれば戦士とするべく召集していく。
とある村の養護院で孤児たちと暮らしていた少年ノイシュとその義妹ミネアもまた、父の戦死を受けて戦地へと赴くこととなる。やがて各国をめぐる混乱と戦いに、巻き込まれていくその運命も知らずに――
苛酷な現実に打ちひしがれながらも、真摯に生きようする若者たちの【激しい戦い】と【純粋な愛】そして【胸を抉る葛藤】を描きます。
(小説家になろう)
感想
ダークなハイファンタジー作品です。
世界観はどことなく重く、暗雲のような緊張感があります。そこが却って戦乱の世というリアリティがあるように感じました。
ノイシュと義妹のミネア。二人は育ての父を亡くし、共に育った孤児たちとも離れ、術士学院を卒業しました。
そして三年後、術戦士として戦いの中に身を投じることとなります。
キャラクターが嬉々として戦地に向かうのではなく、戦うことに対する不安や恐れを抱いている姿が、当然といえばそうなのですが、新鮮でした。
戦場とは、血が流れ命のやり取りがなされる場所。死地に向かうには、彼らはひどくまともな感性を持っているように感じました。だからこそ、ファンタジー作品ですが、キャラクターを身近に感じられます。
重ためのダークファンタジーを読みたい方におすすめです。
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