【噂】都市伝説に挑むバディもの【感想】

本紹介

都会の女の子の間で囁かれる噂
レインマンから助かる方法は、ただ一つ

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タイトル:噂
著者:荻原浩
初版発行日:2006/2/28
ジャンル:ミステリ

あらすじ

バツイチの巡査部長、小暮は、娘の菜摘と二人暮らしだ。
ある日、小暮の勤める目黒署の管轄内の公園で、女子高生の死体が見つかる。
それは事故や自殺ではなく、明らかに他殺だった。殺された彼女には、足首がなかったのだ。

事件の捜査のため、小暮は名島という警部補とコンビを組むことになる。
自分より上の階級、更に年下の女性という相手にやりにくさを感じる小暮。
捜査を続ける二人の耳にやがて「レインマン」という言葉が入ってくる。なんでも、レインコートを着て、殺した相手の足首を持ち去るらしい。
そのレインマンに狙われない条件が一つだけあるというのだが――。

男女のバディもの

この「噂」を読んでいた感じたのが、刑事もののドラマを観ている感覚でした。最初はぎくしゃくしたやり取りを交わしつつ、徐々に仲を深め、次第に相棒に等しい存在となっていく。そんな男女のバディものの基本を踏襲している作品です。

小暮はバツイチのシングルファザーですが、相方の名島も実はシングルマザーとして息子を育てている母親でした。
互いにうっすらとした過去の闇を抱えつつ、それをいつしか分かち合い、チームとして捜査を続ける。警察としての方針から外れ、煙たがられつつも協力して真犯人を突き止めていく。
そんな警察ものの小説を探している方におすすめです!

都市伝説との絡み

足首を奪っていく殺人犯ですが、これは「レインマン」の仕業であると、都会の若者の間で噂として広まっています。何でもアメリカから来た殺人鬼で、レインコートを被り、殺した相手の足首だけを持っていく。そんな都市伝説めいた噂が、話の中心となっています。
この噂は、故意に流されたものでした。

「ミリエル」という香水をつけていれば、レインマンに狙われない。

これは、ミリエルを売り込むために、企画会社の杖村という女性が意図的に広めたものであることが冒頭に書かれています。
そして実際にレインマンの噂によく似た殺人事件が起きる。

果たして、レインマンの正体は誰なのか。噂を広めた杖村か、それとも噂を聞いた模倣犯の仕業なのか。それともレインマンは実際に存在して……?
真犯人は是非、実際に本を手に取って確かめてください!
ちなみに、最後の一行にまで謎が隠されているのでお楽しみに。

逆から読むのは絶対ダメ!

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