今や日本人の人生は100年だといいます。
ですが、ちょっと人間を離れたら、その言い分はどうなるのでしょう。この100年とは動物として長いのでしょうか、それとも短いのでしょうか。
この世界に住む動物たちが、一体どれほどの寿命で生きているのか、比較していきます。
ハムスター 3年
ペットといえば、犬、猫、そしてハムスター。
ほお袋にたくさんの食べ物を詰め込む姿はとても微笑ましいです。
ですが、ドイツ語の「hamustra」には「強欲で大食らい」という意味があります。なんだかたくましいですね。
そんなハムスターの飼育下の寿命は2~3年。人間と比較すると非常に短い寿命です。
ギネス認定されているハムスターの寿命は4年6ヶ月。平均寿命の約二倍です。
オカメインコ 20年
基本的に、小さな動物は寿命が短く、身体の大きな動物の方が寿命が長い傾向にあります。
ですが鳥類は大きさの割に長生きする種が多く、オカメインコは飼育下では20年ほど生きるといわれています。
名前に「インコ」とついていますが、「オウム」の仲間です。「オカメ」はその名の通り、頬のオレンジの斑点が面のおかめに似ていることからつけられています。
頭がよく、ヒナから育てると人にも良くなついてくれる愛らしいペットです。
コンドル 65年
アンデスコンドルは、最も寿命の長い鳥の一種だといわれています。
空を飛べる鳥の中で世界最大級の大きさをほこり、あらゆる鳥の中で最も大きな翼の面積を持ちます。
最大で15kgという重さにもなるため、気流に乗って滑空できる風のある地域で暮らしています。
頭に毛が生えていない理由は、コンドルは主に動物の腐肉を餌としているため、その際に動物の血で汚れるのを防ぐためです。
ゾウガメ 100年~150年
カメは長寿ですが、特にゾウガメは長生きです。さらにガラパゴスゾウガメの平均寿命は100歳を超え、最長で152歳まで生きたという記録もあります。
有名なゾウガメといえば、「独りぼっちのジョージ(ロンサム・ジョージ)」でしょう。
絶滅したと考えられていたピンタゾウガメの最後の生き残りであるジョージは、1971年に推定60歳で発見されました。
種の保存として近縁のメスがあてられましたが、ジョージは彼女たちを寄せ付けず、繁殖計画は失敗したことから「独りぼっち」と呼ばれるようになったのです。
2012年にジョージは結局子を成すことなく死亡し、同時にピンタゾウガメは絶滅してしまいました。
ゾウガメがこれほどまでに長寿な理由は、現在も研究が進められていますが、どうも遺伝子の変異が関係しているのでは、と考察されています。
ムカシトカゲ 100年~200年
生きた化石とも呼ばれるムカシトカゲは、現在ニュージーランドの一部に生息しており、約2億年前からほとんど姿を変えずに存在しています。
脊椎動物の中では最長クラスの寿命で、性成熟するのは20歳程ですが、完全に大人になるのは70歳頃です。
世界最高齢のムカシトカゲのヘンリーは、111歳で父親になりました。産卵したメスのミルドレッドも80歳。12個の卵を産み、11匹の赤ちゃんが生まれたということです。
ウニ 200年
海に行けば見ることのできるウニも、長寿な動物の一種です。
アメリカの研究グループによると、ウニは老化による病気といった症状をほとんど見せず、また成長も非常に遅いことが判明しました。
年を経ても生殖能力が衰えず、命が尽きる前まで繁殖活動が可能です。
ウニは、クラゲやイソギンチャクといった棘皮動物の一種で、脳や心臓を持ちません。
私たちが食べているウニのオレンジ色の身は、ウニの生殖器官。つまり精巣や卵巣なのです。
ニシオデンザメ 400年
こちらも、生きた化石と呼ばれる脊椎動物です。
グリーンランド近海で発見された同種の最も長生きな個体は、なんと推定年齢512歳!
私たちとは全く異なる時間を生きるこのサメは、非常にのんびりと暮らしており、泳ぐのも平均時速は1キロ。最高時速でも3キロと、「世界一のろい魚」とされています。尾びれを一度振るだけでも7秒かかります。
性成熟して大人になるのに150年かかり、その体長は最大で7.3メートル。重さは1トンにも及ぶ大型魚です。北大西洋の深海、最深2200メートルに生息しています。
餌になるものなら何でも口に入れてしまうため、危険なサメとされていますが、人の泳げない低温貝水域に分布しているため、普段私たちが暮らす上で害はないでしょう。
海綿動物 1550年
海綿動物は、熱帯の海を中心に、世界中に生息しています。
その寿命は遂に1世紀を超え、Monorhaphis chuniという種は水深1000メートルを超える深さにも生息し、その推定年齢は約1万1000歳だとされています。
先述のニシオデンザメも加え、深海生物はなぜこれほどまでに長生きなのでしょう?
その理由には、深海という環境にあると考えられています。
浅い海は深海に比べて捕食者が多く、海水温の変化や嵐の影響を受けやすいのですが、海を深く潜れば潜るほど、その脅威は薄まります。
変化の少ない安定した環境が、長寿へと進化する秘訣となったようです。
ベニクラゲ 寿命なし
遂に寿命の関係ない種が出て来ました。
全てのクラゲが長寿なわけではなく、ミズクラゲの寿命は約1年しかありません。
このベニクラゲは非常に特殊な能力を持っているのです。
クラゲは、親クラゲから「ポリプ」や「ストロビラ」「エフィラ」といった状態を経て
成体に至ります。無性生殖と有性生殖を行い、大人のクラゲになります。
ところがベニクラゲは、敵に襲われるなどで傷ついた時に、「ポリプ」の状態に戻ることが知られています。つまり、若返るのです。
それも何度でも若返り、再び大人へ成長できるのですから、不老不死と言わざるを得ません。
ですが、決して死なないわけではなく、捕食者に食べられてしまえば、いくら若返っても死んでしまいます。条件によっては、「ポリプ」に戻れないこともあるそうです。
クラゲについては以下もどうぞ!
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