私たちの穏やかな生活を脅かす身近な生き物の一種に、ゴキブリがいます。
その姿を見ただけで嫌悪感を催す人も少なくはないのではないでしょうか。
しかしゴキブリの出現は約3億年前と人間よりも遥かに古く、生きる化石とも呼ばれています。
多くの生物が繁栄と絶滅を繰り返す地球で、彼らは一体、どのような手段を使って生き延びてきたのでしょうか?
白亜紀の大量絶滅
メキシコのユカタン半島に、「Chicxulub crater(チクシュルーブ・クレーター)」と呼ばれるクレーターがあります。
これは約6604万年前の小惑星の衝突跡です。
クレーターの直径は約160kmで、地球上では三番目の規模であり、この衝突が白亜紀の恐竜の大絶滅の原因だと考えられています。
Chicxulub impactorとして知られている岩が、6600万年前の地球に宇宙から急降下して激突した時、ゴキブリはそこにいました。
その衝撃は大規模な地震を引き起こし、激突場所から何千マイルも離れた火山の噴火も引き起こしたと考えられています。
今日の鳥の祖先であるいくつかの種を除いて、地球上の3/4の植物と動物が死に絶えました。その中には全ての恐竜が含まれています。
多くのパワフルな動物が絶滅した時、数インチのゴキブリがどうやって生き延びたのでしょうか?
隕石衝突から生き延びた理由
平らな身体
彼らにはこの大惨事を生き残るための設備が整っていました。
もしあなたがゴキブリを見たことがあるなら、おそらく彼らの身体がとても平らなことに気づいたでしょう。これは偶然ではありません。より平らな昆虫はより狭い場所に自分の身体を押し込むことが出来ます。
彼らは実際にどこにでも隠れることが可能で、そのことがChicxulub impactから生き延びることの助けになりました。
隕石が衝突した時、地球の表面の温度は急上昇しました。
多くの動物は逃げる場所がありませんでしたが、ゴキブリは土壌の小さな割れ目に避難することによって熱さから逃れました。
えり好みしない食事
また隕石の衝突は、多くの埃を舞い上げ空を暗くしました。太陽は薄暗くなり、気温は急降下し、地球の状態は冬になりました。僅かな太陽光で植物は成長が困難になり、植物に頼っていた多くの動物は空腹状態に陥りました。
しかしゴキブリはそれに該当しません。いくつかの昆虫が特定の植物を好むのとは異なり、ゴキブリは雑食性の清掃動物です。
これは彼らが動植物に由来する多くの食物や、段ボール、いくつかの種類の衣類、糞便まで食べることを意味しています。えり好みしない食欲を持つことで、ゴキブリはChicxulub絶滅や他の自然災害からの厳しい時代を生き残りました。
oothecae
他にも小さな保護ケースの中に卵を産むことがゴキブリの助けになりました。これらの卵パックは乾燥豆のように見え、「卵ケース」を意味する「oothecae」と呼ばれます。
携帯ケースのように、oothecaeは硬く、肉体的なダメージや洪水や干ばつのような他の脅威から中身を守ります。
近代のゴキブリは地球の最も寒い場所から熱帯の暑さまでどこにでも生息することが出来る小さな生存者です。科学者は4000以上の種がいると推定しています。
人間の敵?
これらの種の一握りは人間と暮らすことを好み、すぐに害虫となります。一度ゴキブリが建物に住み着くと、彼らのすべてやoothecaeを取り除くことは困難です。
不衛生な場所に多くのゴキブリがいると、彼らは病気を広めます。彼らはいくらかの人々には喘息発作やアレルギー反応のトリガーとなるアレルゲンを生産することにより、人の健康を最も脅かします。
害虫であるゴキブリは多くの殺虫性の化学物質に抵抗できます。また、彼らの祖先が多くの恐竜よりも生き延びることを手助けしたのと同じ能力によって、人間が扱うことは困難です。
それでも研究者たちは彼らがどのように動くか、その身体がどのようにデザインされているかを理解することによって、より良いロボットを作るアイディアを得ようとしています。
ゴキブリ型ロボット誕生!
実際、2019年にゴキブリの特徴を再現したロボットが開発されました。
長さは3cm、幅は1.5cmの小さなロボットですが、およそ60kgの人間に踏まれても潰れませんでした。
この小型ロボットは、災害時に救急隊が入ることのできない場所に導入し、捜索活動を行うことに役立つのではと期待されています。
以下がロボットの動画ですが、本物のゴキブリも映っているので苦手な方は注意です!
私たちが普段敵視する生き物からも、学ぶことはたくさんあるようですね。
記事の参考URL:https://www.livescience.com/how-cockroaches-survived-dino-killing-asteroid
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