日本にはヒグマとツキノワグマが生息しています。
ヒグマは北海道の約55%の地域に、ツキノワグマは本州の45%の地域に生息しています。
しかし世界には8種のクマが存在しています。
ここでは、中でもカナダやアメリカに生息しているハイイログマ(グリズリー)について紹介します。
ハイイログマの生態
特徴
ハイイログマは通常、四本足の時の肩までの高さは0.9~1.5mで、後足で立つと2.7mに達します。オスはメスよりも重く390kgになり、メスは205㎏になります。ハイイログマはコディアックヒグマやホッキョクグマよりも小さく、その2種は立ち上がると3m以上になります。
ハイイログマのいる北アメリカには、クロクマ(black bear)も生息しており、この二種を区別する方法は体の形と足跡にあります。
ハイイログマを含む全てのヒグマは、お尻よりも高い肩のこぶを持っています。
一方のクロクマにこぶはなく、お尻は肩よりも高くなっています。
それ以外にも、ハイイログマはお皿のような形の顔と、短くて丸い耳を持っており、一方でクロクマは真っ直ぐな顔と、より長く楕円形の耳を持っています。
危険性
ハイイログマは小熊や食物、なわばりを奪われない限り、大抵は人を避けます。しかし時には人を襲って殺すこともあります。
フロリダ自然史博物館によると、1900年からこれまでに、アメリカとカナダでは84人がヒグマに殺されています。
また同時期にクロクマは78人を、ホッキョクグマは11人を殺しています。
食性
ハイイログマは雑食で、野菜や肉の混合食を食べます。
食事はフルーツ、ナッツ、葉っぱ、動物で構成され、小さな虫やヘラジカのような大きな有蹄類も捕食します。
2013年のイエローストーンの研究によるとクマによる子牛の殺害の70%は、子牛たちを捕らえやすい夕暮れか夜に発生していました。
クマは春の終わりや初夏の季節には夜行性になり、夏や秋の始まりには主食を根やベリー、ナッツに移行するため昼行性になります。
更に2006年に出版されたハイイログマの食事の研究では、ハイイログマは有蹄類やサケの産卵が豊富な場所でより多くの肉を食べることが明らかになりました。
冬眠
そしてハイイログマは夏にたくさんの食物を食べ、秋になって脂肪を蓄えた後に巣穴に入って冬を越します。
冬眠中、ハイイログマの心拍数は70回/分からたったの10回/分にまで下がり、代謝活性も減少し、排便も止まります。
そして脂肪を蓄えることにより、最大7ヶ月の間、冬眠することが出来ます。
しかし動物園のように一年中食事ができるハイイログマは、冬眠をしない場合もあります。
もしも襲われた時は?
名前の由来
ハイイログマは北アメリカに生息するヒグマの一種で、グリズリーとも呼ばれています。
「Grizzly bear」とは一般的にグレーやシルバーのしま模様にちなんで名付けられました。
そのサイズ感や見た目はまさに恐怖をあおりますが、ハイイログマはめったに人を攻撃することはありません。
襲われた時の対処法
NPS(アメリカ合衆国国立公園局)は、クマからは距離をとり、クマが居る環境では目立つ格好をして彼らを驚かさないようにすることを推奨しています。クマたちの行動は予測不能で、その攻撃に対して全ての状況に対応できる戦略はありません。
NPSによると、もしハイイログマやヒグマに攻撃された時は、持っている場合はバックパックをつけたまま、手を首の後ろで握りしめ、足を開いてうつ伏せになって死んだふりをすることによって、クマが身体をひっくり返しにくい体勢でいることを提案しています。
ハイイログマは反撃されるとより攻撃的になるため、クマがあなたを置いて去るまでじっとしていることが最適です。
もしクマの攻撃が続く場合は、可能なもので顔に向けて反撃するべきです。
しかしクロクマの場合は異なり、攻撃の間、死んだふりをすることは効果的ではありません。クロクマの攻撃に合って逃げられない場合は、逃げるか戦うかに挑戦するしかないのです。
この記事の参考URL:https://www.livescience.com/54453-grizzly-bear.html
グリズリーの口の中!
以下の動画で、グリズリーに捕食されるリアルな視点を体感できます。
こちらは実際にクマがカメラを食べようとした時の映像ですが、これを見ると動かず死んだふりをしても襲われる可能性があることは明確ですね……。
流血などはありませんが、苦手な方は閲覧注意です。
今回は私が個人的に好きな「クマ」について紹介しました。
「ホッキョクグマ」についても書いているので、よければチラ見してみてください!
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