人間は150歳まで生きられる?男女による寿命の違いについて解説

科学

あなたは何歳まで生きたいですか?
人生100年時代と言われる現代日本ですが、この寿命に関しては更なる記録や研究が為されています。
それらを紹介していきたいと思います。

人間の持つ長寿記録

wikipedia:Template:115歳以上に達した長寿記録

上図は世界の長寿記録です。
現在公式に認められている、最も長生きした人物はフランス人女性のジャンヌ・カルマンさん。
122歳と164日で、1997年に亡くなりました。

ですが、非公式には更に長生きをして亡くなった方もいます。
インドネシア人男性のムバフ・ゴトさんは146歳で2017年に亡くなったとされています。
公式記録を20歳以上も上回る年齢、これが公認となれば記録は一気に塗り替えられますね。

なぜ女性の方が長生きなのか


さて、図を見ても一目瞭然なのですが、長生きをしている人の性別は男性よりも遥かに女性が多いことが分かります。
一体なぜ、女性の方が男性よりも長生きなのでしょうか。

エストロゲンとアディポネクチン


女性ホルモンである「エストロゲン」には、血圧低下や悪玉コレステロールの血中濃度を下げたりする働きがあります。
これにより、高血圧や動脈硬化が予防され、心疾患による死亡を防げるのです。

また、脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」というホルモンには、動脈硬化を防ぐ役割があります。
長寿の女性の多くには、男性の2倍以上のアディポネクチンが分泌されているという調査結果があります。
太り過ぎていても痩せ過ぎていてもアディポネクチンの分泌能は低下するため、男性でも適切な体系を維持することが長生きのコツとなります。

基礎代謝量


基礎代謝とは、生物が生存するために必要な最低限のエネルギーのことを示します。
男性よりも女性の方が基礎代謝が低く、つまり少ないエネルギーで効率よく活動することが可能であり、環境の変化に適応しやすいのです。
また、基礎代謝量が少ない分、老化に影響する活性酸素が発生しにくいため、長生きに繋がるのではと考えられています。

動物を使った実験でも、基礎代謝量の少ない個体の方が長生きする傾向が示されています。基礎代謝量の多い肥満の方は、有酸素運動によって代謝をあげるようにしましょう。

生活習慣


女性の方が男性よりも医療機関への通院頻度が高い傾向があります。また、男性よりもアルコールの摂取量が少なく、食事への栄養バランスに配慮する人が多いのです。

この点は生物学的な違いではありませんから、男性も女性も、自分の体調の変化には気を配り、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

人間の限界は150歳

現在公認の記録は122歳ですが、人間の寿命の限界は150歳であることが、近年の研究によって判明しました。

この研究チームは人間の「回復力」に注目して、ウェアラブルデバイスを用いて大規模にデータを収集し、研究を行いました。
その結果、120~150歳で完全に回復力が喪失してしまうことを導いたのです。

the resilience would be ultimately lost at the critical point at the age in the range of 120-150 years, thus indicating the absolute limit of human lifespan.

引用:Longitudinal analysis of blood markers reveals progressive loss of resilience and predicts human lifespan limit
https://www.nature.com/articles/s41467-021-23014-1#Abs1

つまり、どれほど健康に気遣おうと、生物学的に人間はこれ以上生きることはできないということです。

いかがでしたでしょうか。
日本人の平均寿命は女性で87歳、男性で81歳です。もしも限界ぎりぎりまで生きることが出来れば、この時点でもまだ人生の折り返しをようやく過ぎたという地点です。
今後、医療が発達すれば、寿命に関する見方も大きく変わるかもしれませんね。

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