新人賞の壁 重複応募と使いまわしの違い

小説

さあ、小説が書けた! これぞ自信作、これは絶対にいける!
意気揚々とペンを置いたあなたの前に、同時期の締め切り、同カテゴリ、同規模、同額賞金(まあこれはいいか)の新人賞が立ちふさがります。そして年一回の開催。これを逃せば来年までチャンスはありません。

出来ればどちらにも応募したい……けれど重複投稿は禁止だって書いてあるし……そもそも何故禁止なの? 来年まで待てば、応募しなかった方に使いまわしてもいいってこと?


ここでは新人賞に対する「重複応募」「使いまわし」の意味、そして使いまわしの定義について。また重複応募が禁止される理由についての考察を紹介していきます。

重複応募とは? 何故禁止されているの?

重複応募とは、異なる賞へ同時に同じ作品を応募することです。

新人賞Aに作品を提出し、その選考結果が出ていないにも関わらず、新人賞Bにも同じ作品を提出すると「重複応募禁止」の事項に抵触します。
ほぼ全ての賞がこの「重複応募」を禁止しています。(嘗てなろう系の賞で可を見かけたぐらいですが、超レアケースです。今は禁止されています)。

たとえ受賞したとしても、重複応募が判明すれば賞の取り消しの対象になります。
同時期のAとBでもしも両方受賞してしまえば、その作品の権利をどちらが握るかで争いが起きてしまいますよね。


多くの賞では、受賞作は書籍化に進み、好調であれば漫画化や映像化といったメディア展開に話が進むこともあります。初めから書籍ではなく漫画の原作等への利用を目的とした賞もあります。

使いまわしとは?

同じ作品を違う時期に複数の賞へ応募することです。

新人賞Aに提出して結果が戻って来た作品を、新たに募集の始まった新人賞Bに提出することを意味します。翌年の新人賞Aにも提出しても、同じ作品であれば使いまわしとなります。

重複応募とは異なりますが、主に公募において、使いまわしはいい顔はされません。

小説投稿サイトが主催する(主にラノベ系に多い)賞によっては、使いまわし可であることを要項に記載していることもありますが、滅多にありません。

使いまわしは許されているのか?

使いまわしを避ける理由については、いくつか考えられます。

一つ目は、下読みの問題です。

一次審査は基本的に、下読みと呼ばれる方々が担当されます。
下読みの方が、新人賞Aと新人賞Bの下読みをかけ持っている場合もあります。すると、Aで落選した作品を再びBでも読まなければなりませんよね。しかも同じ人の評価ですから、よほどでない限り選考突破とならず、時間だけが取られてしまいます。

主催側も下読みを使いまわしてるじゃないか!という声もありますが、だからはっきりと禁止されていないとも考えられます。

二つ目は、将来性の問題です。

選考側は、小説家として育ってくれる人を望みます。
つまり一定以上のペースでハイレベルの作品を生み出せる作家です。

どれほど素晴らしい作品を仕上げられたとしても、一世一代の一作をなんとか生み出す人より、コンスタントに良作を提供できる人の方が作家という職業として優秀です。

また同じ作品に固執して、あらゆる賞や翌年の同賞に総当たりをかける人よりも、次の異なる作品をさっさと提供できる人の方が将来性があります(書いていて苦しくなってきました)。

また公募にはよく「未発表の作品に限る」という縛りがあります。
この「未発表」には「賞への応募」も含まれる場合があるため注意が必要です。他の新人賞へ応募した場合を発表済と定義する場合、作品の使いまわし自体が禁止されます。

「商業目的利用」(kindleや同人誌への掲載)を発表済とする賞もあれば、いわゆる「webサイト等への投稿」(投稿サイトや個人HPへの掲載)を発表済と定義する場合もあるため、ここはよく要項を読み込まなくてはなりません。

どこからが使いまわしなのか?

では、改稿し、表現や展開を加えれば他作品として評価されるのでしょうか?

この問題は非常にグレーです。
どこからどこまでを同作品とするか、定義づけ出来ないためです。
例えば、主人公の名前が代われば他作品とも呼べますが、内容が全て同じなら選考結果は同じですよね。

しかし改稿が全て悪だということは決してなく、実際に最後の文や展開を変更しただけで、一次選考落選作品が同じ新人賞で大賞を受賞した。という夢のある話もあります。
また、向上心を持って書き続ければ、誰しも上達します。改めて作品を練ったところ、一年後には見違えるほど素晴らしくなる可能性も十分にあるのです。

だからこそグレーの世界です。

あなたが、以前よりもずっと良い作品になった!と感じるのならば応募する価値は十分にあります。

またよく言われるのが、下読みさんとの相性の問題です。相手方も人間ですので、好みは必ずしも存在し、また一次選考では一人の下読みさんしか目を通さないということもあります。
「相性が悪かったから落ちたんだ!」。そんな台詞を見かけたことがあります。しかし責任転嫁しても仕方ありません。早く忘れましょう。さっさと次の作業に移った方が吉です。

いかがでしたでしょうか。

私は選考関係者ではないので、あくまで考察もふまえています。

ただ確実なのは、応募要項をよく読むこと!そして禁止事項は決して犯さないこと!受賞取り消しだなんて誰も得しません。運も実力のうち。チャンスを逃すわけにはいきませんから。

非常に厳しい世界ですが、一人でも物書きさんが報われるように願っています。

よく似た言葉、小説投稿サイトにおける重複投稿について解説しています。下からどうぞ!

小説投稿サイトの重複投稿は許されるか?メリットとデメリットは?

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